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握り拳を振り下ろして頭に拳骨をお見舞いした。
「子供やないんやからわがまま言わへんの!まだ子供の方が可愛げありますよ。
帰りたくないのは分かりましたけど自分の言い分だけ通さんとちゃんと周りの話も聞きなさい!返事は!?」
「おっおぅ……。」 https://www.easycorp.com.hk/zh/secretary
まさか三津に拳骨付きで怒られるとは。面食らって語尾がちょっと弱腰になった。
「あーあ怒られたー。三津怒らしたら一番怖いんだからなー。」
吉田が茶化すように笑うと三津はまたやってしまったと顔を真っ赤にした。
「ごめんなさい!宗太郎に怒る感覚になってましたごめんなさい!」
三津はまた背伸びをして今度は拳骨を落とした場所を撫で始めた。
「くっ!はっはっはっ!それも宗太郎にする感覚?
晋作!お前は齢六,七の子供と同じ扱いだぞ!」
吉田は高杉を馬鹿にして大笑いした。
「いやっ!あのっ!ホンマにごめんなさいっ!失礼しました!ごめんなさい!」
三津は高杉から飛び退いて両手を宙に彷徨わせたまま悪気はないんだとひたすら謝った。
「三津,構わないよ。晋作がすまなかったね。もういいからサヤさん達の所に行ってなさい。あと足袋は履き替えてね。」
笑ったらしょぼくれるから笑わない様にと桂は顔を赤くして耐えた。
三津はあっ……と声を漏らして自分の足元を見た。
「で?お前は一体何してんだ?」
久坂は音も無く高杉に近寄ると右手で左耳を引っ張った。
「いでででででっ!」
詳しく聞かせてもらおうかと二度目の連行を余儀なくされ,また説教が確定した。その夜は散々説教された高杉の為に酒の席が用意された。
理由はどうであれ折角高杉がここまで来たんだし和やかにお話しては?と三津の気遣い。
「ほんっとに晋作は思い立ったら一直線だな。もうちょっと考える頭持ったら?」
「考えちょうわ!そっから決断が早いだけや!」
小馬鹿にしてくる吉田に噛みついて一気に酒を飲み干した。
「三津さん酒!」
お猪口を掲げて乃美の隣に居た三津を呼び寄せた。
「三津,こんな奴は手酌させとけばいいよ。」
「今日はお酌係ですから。」
笑って徳利を傾けた。
「何で稔麿だけ呼び捨てにしとるん。」
桂さんの女やろがと言い終わると同時にお猪口を空にして三津に差し出す。
そんな桂の女を盾にしようとしたのは誰だよ。
「吉田さんは初めて会った時からこうですもん。」
「初めて会った時はまだ桂さんの女じゃなかったからな。俺が長州に戻ってる間に手ぇつけてたんだよ。」
吉田も高杉に負けじとお猪口を空けておかわりを要求する。
「えっでも深い仲になったの今年に入ってからじゃ?」
久坂から疑問を投げかけられた三津は考える様に首を傾げた。
「え?どう言う事?」
吉田はお猪口を宙に浮かせたまま三津と久坂を交互に見た。
「三津さんが拐われて来たあの一件の時,まだ背中を見た事がないって言ってた。
だから桂さんが手を出さずに我慢してるってよっぽどだと思ったから覚えてる。」
「確かによっぽどだ。」
入江も口端を上げて笑った。以前の桂じゃ考えられないと言うのは三津の手前言わないでおいた。
「お前らしか分からん話するなや。
三津さん明日は町見物に付き合え。案内してくれや。」
高杉の誘いを三津以外が盛大に笑い飛ばした。
「無理だ晋作,三津は道が分からない。二人して戻って来られなくなる。」
吉田は体を前後に揺らして笑った。
「は?京の生まれやないんか?」
「それに三津さんは壬生狼の元で女中をしてた。顔も名前も知れ渡っていて危険極まりない。」
俺よりも壬生狼内では有名だと久坂も笑う。
「は?幕府の犬の女中?」
「中でも幹部の奴らがお熱でまだ行方を探してる。」
引く手数多な女は辛いねと入江が茶化す。
「待て待て情報量が多過ぎる。」